日記

memento mori

【和訳シリーズ】Changes in amino acid concentration in plasma and type I and type II fibres during resistance exercise and recovery in human subjects を和訳してみた。

元論文はこちら。

Changes in amino acid concentration in plasma and type I and type II fibres during resistance exercise and recovery in human subjects - Springer

 

 以前は無料で全文公開していたはずなんですが、今改めて見たら、有料になってました。

なので、全文の訳を持っているのですが、公開されているAbstractのみ訳を掲載します。

興味を持った方は購入を検討してみてください。

 

<abstract>

 この研究はレジスタンス運動による血中、筋線維タイプⅠ、タイプⅡのアミノ酸濃度の変化について調べたものである。8人の男性被験者が最大筋力の80%の重量でレッグプレスを10回4セット行った。運動前に血液サンプルをとり、運動中、回復のための2時間の間、繰り返し測定した。4人の被験者は外側広筋から事前にバイオプシーし、回復における1時間後と2時間後にもすみやかにバイオプシーした。レジスタンス運動はタイプⅠ(32%)とタイプⅡ(70%)どちらにおいてもグルタミン酸濃度の減少を引き起こした。アラニン濃度は両筋線維タイプにおいて60~75%、血中において29%上昇した。グルタミン濃度は運動直後は変化しなかった。ただし、2時間後、両筋線維タイプにおけるグルタミン濃度は30~35%減少した。運動から2時間後、血中グルタミン濃度と6つの必須アミノ酸(BCAAを含む)は5~30%減少した。このデータが示しているのは、グルタミン酸レジスタンス運動時において筋のエネルギー代謝にとって重要な役割を果たしているということである。そしてそれは、特にタイプⅡ筋線維において顕著である。

 

この論文のここがすごい!

なんといっても、ヒトを使って筋バイオプシーしてること。

もうこれだけでこの論文の価値ありです。

世知辛い現代において、切開や局所麻酔などの侵襲的な行為はなかなか認められません。

認められても、被験者を集めるのが大変だったり、もし何かあったら賠償問題ですからね。

むしろ、痛いとか疲れたとか言わない動物実験の方を好む研究者も多いでしょう。

そしてなんだかんだ正確な数値を出してくれるのもラットを始めとした動物の良さでしょう。

ヒトだとなかなか生活すべてを監視したり制御したりは難しいですから。

私の学生時代も、実験期間中に大酒飲んだり、プレテストで本気出さなかったり、いろいろ面倒でした。

ただ、やっぱりラットはラット。

ヒトでの実験にはそれだけで希少価値があります。

 

タウリンの秘密

さらに、この論文は、レジスタンス運動のアミノ酸濃度変化を見ているわけですが、タウリンに関して、めちゃくちゃ重要な事が示されているのです。

abstractには載ってないので、ここでは言及しません。

無料で見れるサイト等わかったら更新しますね。

 

トレーニングへの活かし方

アミノ酸濃度は一定に高め設定

レジスタンス運動(筋トレ)をすると、ほとんどの筋中の必須アミノ酸濃度が減少するわけです。

で、血中アミノ酸濃度が上昇すると。

つまり、筋中のアミノ酸が筋トレによって血液に流れ出てるってイメージでいいかと思います。

そしてそこから超回復というメカニズムに入っていくわけですが、その時に血中のアミノ酸濃度を高濃度にしてた方が良さげじゃないですか!

そして、血中アミノ酸濃度は、誰でもアミノ酸の定期的な経口摂取で上昇するということがわかっています。

なので、ボディビルダーの方々はトレーニング前にもプロテインを飲むわけです。

そして日々の食事でもタンパク質をガンガン摂取するわけですね。

 

という感じですが、この超回復というメカニズムも最近怪しまれていて、それに関しては長くなるので後日更新します。

 

筋肉は嘘をつかない。

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